私は今までに日本語を除けば3つの言語を習った。一つ目は英語。二つ目はフランス語。そして三つ目は中国語。英語とフランス語は問題なく話すことができるのだが、中国語は10月から学び始めた。

英語に関しては、義務教育として中学校から始まった。転機は大学二年生のときだった。1人でアメリカを旅行したときに、まったく英語が話せない自分に悔しくなり、英語の勉強に熱を入れた。初めてトイックを受けたときには570点。絶好調のつもりで受けたのだがまったくだめだった。今となっては、トイックに関して難しいと感じるほどでもなくなったが、あのころから勉強を始めなければここまで到達しなかったであろう。

次にフランス語。将来、金属資源開発の仕事でアフリカに行きたいと思っており、フランス語は必須であろうと思い、大学での第二外国語をフランス語にした。実際のところはドイツ語、フランス語、中国語、ロシア語の中から選ばなければならなかったのだが、一番魅力的に見えたのはフランス語だった。話せるようになるとしたらどれがかっこいいかと思い、選択したと思う。このフランス語での転機は、これまた大学二年生の後期の時だった。三年生になったときには楽をしようと思い、二年生なのに三年生の授業を取った。ここで、半年後にフランスに留学するという先輩に出会った。これが転機であっただろう。話を聞いてみると、大学の協定校留学を使えば学費が免除されるというのだ。初めは気にも留めなかったことだったのだが、徐々に留学をしてみようかという思いが沸き、親しくしていただいている先生に相談しに行った。そこで、留学してみようという決断をした。ここでの留学がフランス語だけにとどまらず、人生に響くこととなった気がする。多かれ少なかれ、自分の視野は広がった。世界中に友達を作ることもできた。大変辛いと感じた留学だったが、自らを窮地に追い込むことにより、よくこねられた人間になったのではないかと思う。

そして中国語。難しい。昨年10月から、内定先の会社が研修として準備してくれた。かれこれ3ヶ月強続いているので語彙も増え、単純な会話ならできるようになったと思っていたら、まったくの間違いだった。日本語は中国語に由来する言語であり、文法も似ている点が多いので、それほど時間をかけなくても学べるだろうと思っていた。しかし、完全に甘かった。発音がてんでばらばらで、4声の区別がうまくつかない。書け、といわれれば書ける単語であっても、口にしてみるとほとんど通じない。研究室にこの前中国からの留学生が来たのだが、聞いてもらっても、申し訳ないほど通じない。そのため、発音の授業でやったことから復習することにした。

加えて、今日は研修の一環としての中国語の授業があった。留学生と練習した発音が少しは身になっていれば良いなと思ったのだが、うまく通じなかった。ギャグすら言えない自分がものすごく情けない気がする。ギャグを言ってみるのだが発音が悪くて通じないので、まさに「理解されないギャグ」といった感じになる。日本語、英語、フランス語であれば、わざと理解されない、されにくいような言い方をしてギャグとなるのだが、このような意図の元に笑いを取れない。このもどかしさがストレスになる。けれども、このようなことは過去に2回経験しているので、へこたれないで勉強を続けたい。英語でも以前あった。フランス語でももちろんあった。

そこで、授業が終わったら学校に戻り、実験待ちの間に授業で行ったことの復習をすることにした。特に発音を正確に言おうとすることに注意をして練習した。

語学の習得は一夜にしてならない。少しは期待するところはあるのだが、英語、フランス語にしてもつらい時期はあった。これを乗り越えなければ、語学は習得できない。

最近、英語は午前中に実験を待ちながらイーラーニングすることにしている。中国語は夕方に復習、発音を中心に練習することにしよう。そして夜、この日記を書きながらフランス語のラジオを聴くことにする。フランス語ならわかるので気が楽だ。やはり、何かを習得するには困難を乗り越えなければ成功しないのだということは、語学の勉強を通して痛感している。そして、何か転機が訪れるのだろう。中国ができるようになったらこの転機が何時きていたのかが分かるのだろう。もしかしたら将来、今が転機だったと思っているかもしれない。