他の研究室の友達と、東京ビックサイトにて開催中のFCEXPOに行ってきた。次世代の新エネルギー開発の核となる、水素燃料電池についてのものだった。展示場の中はさまざまな企業がブースを構え、数多くの商談の第一歩となったことであろう。
私たちの目的は、基調講演を聴くことであった。午前中いっぱい、4人の海外からの方がプレゼンテーションをする。率直に言えば、衝撃的なものであった。その衝撃となったものは2点。一つ目は内容がほとんど分からなかったこと。もう一つは、自分は英語が分からないのかと思ったこと。
一つ目の衝撃については、少しも私の所属する研究室とかぶらない内容であったこともあってか、まさにちんぷんかんぷんだった。例えば、講演の中である材料の話になった。もう分からなさ過ぎてその材料が何であったかすら覚えていないのだが、確か水素、マグネシウム、ホウ素などからなる材料であった。しかし、材料が出てきてもまったく分からない。その材料の性質、よくある問題点、作成方法、なにをとっても知らなかった。そのため、公演中は薄暗い中、外国人の方が話す言葉をたんたんと聞くだけになってしまい、ややもするとうつらうつらしていた。予習していくことって重要なのだと感じた。前日にレジュメから分からない単語を抜き出し、ぐぐって見るだけでも今日の講演はかなり違うものになっていたのだろう。あまりにも下手な時間のすごし方をしたため、ショックだった。
次の点はというと、英語が分かったのか分かっていないのかすら分からなかった。一応、同時通訳で行われていたため、イヤホンを装着すれば日本語で聞けたのだが、何分英語には自信があったため、自分には必要ないと思って付けなかった。たいがい発表の初めの部分は、聞き手を本論に導くために、近年の研究動向や、社会的需要等の話から入る。その部分すら、完璧に分かることはなかった。エネルギー分野に関しては無知であるといっても過言ではないほど多くのことを知らないため、新しいことについていくのがやっとであった。おそらくこのために、自分は英語分かっているのかなと思ったのであろう。
発表が一通り終わり会場を出たとき、この午前中を私はいったいなにをして過ごしたのだろうと思ってしまった。少しでも予習しておけば、もう少し講演を有意義に過ごせただろう。次に何か話を聞きに行く機会が出来たら、必ず予習してから行くようにしたい。唯一記憶に残ったのは、友人の研究室にある、改質機と呼ばれるものが、基本的な装置であることを知った程度であろう。
私の研究の最後を締めくくる、卒論発表では、パワーポイント内に映像を埋め込む。これまでの卒論発表では、このような技術は使われなかったので、結構斬新な発表形態になると思う。
どのような映像を埋め込むかというと、顕微鏡で観察している試料の様子をビデオ録画し、試料の析出の様子を観察するのだ。期待するものは、350℃くらいのときに試料が析出を始め、その流れを録画して、プレゼンテーション内に埋め込みたい。DVDレコーダーで録画するため、PCで処理しやすい。また、DVDレコーダーの昨日は非常に優れていて、さまざまなこと可能だ。私としての感覚は、ウォークマンが主流だったころに、MDウォークマンを持っているような感じだ。時代の主流派DVDレコーダーに移っているのに、私だけ取り残されているような気もする。そこで、どういった機能かというと、好きなところでキャプチャ分けが出来る。これによって好きなところにすぐ飛べる。また、早く送りと巻き戻しのスピードがそれぞれ2倍、4倍、8倍、、、となっていること、スロー再生、スロー巻き戻しに対応していること、また録画予約のときに、LANでネットに接続されていれば携帯からでも録画予約が行えること。少し欲しくなった。研究ではほとんど使わない機能なのに、と思いつつ、潤ってるのかなこの研究室はと思った。
まずここでとってきた映像をDVDに焼く。そして、居室に戻り編集作業に当たる。DVDに焼く段階で、出来るだけいらないところは削っておきたい。その後の作業をスムーズに行うためにもこの作業は必須だ。
次に行うのが、エンコーディング。DVDのままだと非常に容量が大きいので、小さくしてパワーポイントに埋め込む。またここで映像中に文字を入れるといったような編集も施す。
私はエンコーディングなど一度もやったことはなかったのだが、先輩に教わりつつもどうにかDVDデータからAVIファイルに変換することが出来た。2.8Gあるファイルがエンコーディングすると500M程度になるので、だいたい6分の1程度になるのか。さらに技術を磨けば高品質のまま、より少ない容量でエンコーディングが可能になり、また、字幕の選択の余地を残してエンコーディングできるようになるかもしれない。この技術は非常に習得したいと思った。加えて、エンコーディングにはかなりの時間がかかる。このときも、エンコーディングするのに、1時間半程度待った。DVDに焼いて、それを抽出して、、、ということも考えればもっともっと時間がかかっている。次にやるときにはもっと早くできるだろう。ただし、エンコーディング中のPCは、エンコーディングに集中させるために、裏で起動されているプログラムはすべて切り、なるべくCPUに負荷をかけないようにしなければならないので、この間PCは触れない。
それにしても、このエンコーディングという作業はやっていてとても面白かった。もっと技術を磨きたいと思った。少し得した気分になるものだった。
昨日に引き続き、今日もまた本を読んでみた。その名も「入社三年でその後が決まる」といったもの。著者は広告代理店に長く勤めており、そのときの経験からの新入社員のこのようにすべきだという話、そこで会社員として働いたことが現在の著者の血となり肉となっていること等が書かれていた。
その中でも重要だろうと思ったことは、上司を師と思い多くを吸収すること、その上司の物まねが出来るくらいにするべきだというところだった。入社直後から良い仕事は回ってこない、コピーやお茶くみであり、仕事をするにしても上司がやたらと説教をしてくるという。ここで問題なのはこれらをどのようにとらえるかである。コピーをするにしても、ただコピーをしているだけではなく、一部余計に刷りファイリングすることによっていち早く配属されたところがどのような事業を行っているのかを知る。またこうすることでコピーの質も向上する。自分用のものとなるものでもあるので、きれいにコピーしようとする。お茶くみにしても、どのタイミングでお茶を入れるかで、上司から嫌がられるか信頼されるかが決まるらしい(超古典的な日系の会社のように思えるが私の勤め先ももしかしたらこのようになっているのかもしれない)。そして、上司が怒り・説教しによく来るとしても、ありがたくお聞きする。愚痴ではなく説教。自分のためになることをいってくれているということでもあれば、お客様に万が一怒鳴られるようなことになっても、ある程度対応できる。そうしているうちに、上司は部下をかわいがるようになり、さまざまなことを教えてくれる。嫌だ嫌だと思わず、とことんついていくこと、といった著者の教訓であった。
日本の組織体系であればきっとこうなのだろうと思い、まず実戦してみようと思った。私は今研究室に所属しているのだが、これも考えようによっては会社のようである。ボスである教授がおり、助教授、会社員である学生を束ねるように助手がいる。おそらく私にとっての上司といえば助手の方なのであろう。そこである実験装置の使い方について聞いてみた。助手の方は優しい方なので快く教えてくれた。ある程度まで自分でマニュアルを見ながら進めてみたのだが、あるところ以上進まなくなった。そこでそれ以降を教えていただいた。
マニュアルさえあれば何でも覚えられると思うところが私にはあるのだが、やはりこれは妄想でしかないと思った。知っている人に聞く、これが一番効率よく習得する方法であろう。そして学ぶ姿勢。フランス語の授業でSTAGNATIONという単語が今日出てきた(去年このような単語はたくさん勉強したのだが、結局丸暗記しただけだったのだろうか)。意味は停滞することといった感じのもの(あまり日本語訳は得意ではありません)。勉強しないとstagnesするよ。ごもっとも。
会社の中で誰がより物事を知っているか、それは上司である。うまい付き合い方をすることで自分にものちのちそれが帰ってくるというものである。
私は他の研究室をよく訪問する。その中でメモに値する話を聞いたのでその話について今日は書いてみようと思う。
たばこを吸うのは研究室でほとんど私だけであるため、よく他の研究室を訪れ、研究の話とともに雑談を交わす。そこで、今週の金曜日に東京ビッグサイトで行われているFCEXPOに参加することの話になった。テーマは水素燃料。私の研究には直接の関係はないのだが、友人の研究室のテーマでもあるため、その友人に便乗して私も参加することにした。基調講演があるのだ。専門としている人と同行して参加すれば理解もより深まるのではないかと思ったからでもあり、私のこれからする仕事に何らかのきっかけになるかもしれないと思ったからだ。
その話を聞いた感想からまず述べてみると、エネルギーについては極当たり前に思いすぎていて、もしそのエネルギーがなくなったら現在の生活がどのようになるかを常日頃から考えていないのでかなりのショックであった。2点思ったことがある。一つ目は代替エネルギーの採用、もう一つは如何に低いリスクで石油からなるエネルギーを調達するかだった。以下、アイスランドの例、9・11事件から思い知ったエネルギーのリスク、フランスでの対策、また日本での対策準備について、その友人から聞いた話を元にまとめてみようと思う。
まず、アイスランドの例から。エネルギーとして当たり前と思われていた石油であるが、第一次石油ショッ
クにより、世界のエネルギー調達は既存のままでいいのかという問題が浮上した。日本は省エネ志向に移り、トヨタはプリウスに代表されるエコカーを開発し、政府は省エネを推奨した。そこで、アイスランドは思い切った行動に出たのである。国のエネルギーをすべて自国生産するということである。これまで依存していた石油からなるエネルギーに代え、風力発電、水力発電を基にしたエネルギーに方向転換したのである。今週金曜にある基調講演ではアイスランドの大使が講演をするので、この話がテーマになりそうであり、非常に楽しみである。
次に、アメリカで起きた、ワールドトレードセンターでの同時多発テロである。二機の飛行機がビル目掛け
て突進していき、さらにペンタゴンを狙ったのは記憶に残っているかと思うが、もう一つ標的があった。それ
はピッツバーグに存在する原子力発電所である。放射能を汚染させることによりその地域に人がすめなくするというものではなかった。ピッツバーグにある原子力発電所は、ワシントンに送電する電力をまかなっているらしいのだ。ワシントン中の電力が止まれば人の消費活動は停止し、その影響はワシントンDCまでも影響しうる。もちろん緊急対策措置はとられていると思うが、アメリカの政治の中心であるワシントンDCにこのような問題が起これば、国の経営に支障が出ることは確かだ。このテロを起こした集団はエネルギー停止を狙ったのである。
この事件をきっかけにして、国として動かなければなからったのはフランスである。フランスは自国のエネ
ルギーのほとんどを原子力発電でまかなっていることは地理で学んだ。そこで、フランス政府は原子力発電所の周りにロケットを配置したということである。いざ、原子力発電所を壊そうと何かが飛んできてもそのロケットで打ち落とせる仕組みになっているのだという。
加えて、日本でも実験的な措置がとられた。青森県八戸市において、その市全体を内部で発電するエネルギーで間買おうとするものである。現在の法律では、製造したエネルギーにおいては一度エネルギー開発業者に販売しなければならないという法律があるらしいのだが、この地域を特別区とすることによって法的な規制を緩和したのである。風力発電や水力発電でまかなったらしい。結果は、その地域内でまかなえるだけの電力は供給できたのだ。
このように代替エネルギーで電力をまかなうことは可能ではあるのだが、消費者としてはその価格が問題である。もちろんその価格は割高なのであるが、その代替エネルギーに「投資する」という考えを持てば、いずれ自分に帰ってくるものであると考えることが出来る。もし、日本国民がこのように考えることが出来れば、アイスランドのようにエコ発電からなる電力でクリーンにエネルギーを供給することが出来る。この概念をうまく打ち立てることができればすばらしいビジネスが出来るのではないだろうか。
私たちの研究では、ITOという材料を用いている。これは近年非常に注目を集めている材料である。その材
料自体が透明で伝導性を持っているため、電極として使われる。例を挙げると、液晶用の電極や、有機ELに用いられている。
一方、この材料は非結晶な材料であり、非結晶の割には比較的容易に作成できることが知られている。当研究室のEKAWATIらはこのITOにコバルトと白金を固溶させることによって、母相となるITOの析出温
度の上昇に成功した。析出する過程としては、初めに固溶度の低いコバルトが320℃付近から析出を初め、次に白金、そして最後に350℃を超えると母相の白金が析出される。EKAWATIらは焼きなましをさま
ざまな温度で行うことにより焼きなまし温度対MRのグラフを作成、TEM観察した。そこで私たちの研究で
はこの析出過程を、加熱ホルダーを備えたTEMを用いることにより、どのような様子でコバルト、白金そし
て母相となるITOが析出するのかを観察し、析出過程からどうしてMRが急激に変わるのかを考察すること
を目的とした。
実験に当たっては、DCマグネトロンスパッタ法を用い、In2O3が90weight%、SnO2が10weight%のITO、コバルト、白金をターゲットとして用い、体積分立がそれぞれ10対5対1となるように制御した。また組成の
確認として、AS-DEPO試料に対してはXPS、TEM内ではEDXを用いることにより、組成が制御で
きていることを確認した。スパッタリングチャンバー内での製膜としては、岩塩上にSiO2を100Å作成しそ
の上に100ÅのCo(Pt)ITO薄膜を製膜することによって、ガラス基板上に製膜するのと同じ条件に
した。このときに出来た試料を水中でモリブデンメッシュにすくう事により、TEM観察用の試料とした。
加熱ホルダーを用いるTEM観察においては10分かけて20℃昇温し、その間析出の様子をビデオ録画した。ディフラクションパターンを見ることにより、試料が析出し始めたかを確認しながら行った。
実験結果としては、200℃から600℃までの温度範囲でTEM観察をしたが、母相までが析出する様子は
確認できなかった。350℃くらいになると画面上に黒い点が増え始め、何かが析出し始めたことが確認できた。その後620℃で6時間放置したが、母相まで析出様子は観察できなかった。
なぜこのような結果になってしまったかを考えてみると、EKAWATIらが行った研究での膜厚と私たちが
行ったこれまでの研究での膜圧の相違が考えられる。EKAWATIらは膜厚2000Åで1時間焼きなまし
を行い、TEM観察をしたが、私たちが用いたCo(Pt)ITOの膜厚は100Åと20分の1の薄さであ
った。また、白金を非結晶に加えると析出温度が上昇することが報告されており、この薄さでは白金による析出温度上昇の効果が強く出すぎたのではないかと思われる。
また、実験の仕方、正確な試料制御による誤差がこのような大きなEKAWATIらとの差を生んだのではな
いかとも思われる。
今後の研究の進め方としては、まずEKAWATIらが作成した薄膜と同じ膜厚において焼きなまし温度対M
Rの関係を探ってみることにより、同じ条件で実験が出来ているのかを確認する。この値が違えば、Co(P
t)ITOの製膜がまったく同じ過程で行われていないということになる。
以上草稿。
これからこの日本語で書く日記を再開しようとおもう。ビジネスマンにとっては文書で物事を伝える作業が重要だからだ。この日記のネタとなるようなことも日々注意してメモしておきたい。そして、現在の卒業論文が終了したらすぐにも自己サーバー作成を試みたい。
今週号の日経アソシエ誌での特集によると、一つのトピックにつき1600字程度の日記を毎日書き、日経春秋を手書きで書くことを進めていた。1600字というのはちょうどA4一枚分になるらしく、ビジネス文書の基本となるものらしい。また、文章構成を考えなければかけるものではないというところがミソのようだ。日経春秋を手書きで書くというのは、まずその書き方が非常にビジネスに近い書き方をされているからだそうだ。少ない形容でかつ、筆者の思いを伝えなければならない。次に、誤字・脱字・当て字が減ることが期待されるそうだ。基本として学びたい。1年間続けることによって効果が出るらしい。長いと思うが地道に続けてみたい。
メモについては、今週末友人と行っていたスノーボードで特筆するべきことがあった。友達がメモを日常化していたことだ。スノーボードが終わり、友人たちと宿でくつろいでいるときにテレビを見ていたのだが、そのときある友人が「これはメモしておかなければならないな」と言い、何気なくメモをし始めたのだ。これが日常化しているその友人を見てはっとしたことだ。もうちょっと詳しく言えば「世界不思議発見」を見ているときに、アタカマ砂漠を紹介していたのだが、これが彼にとっては目新しく、記憶に値することであったのだろう。振り返ってみれば私としてもその一つ前の番組でポリ乳酸に似たポリマーをもつ植物について紹介しているところをメモするべきであったのだろう。何かチャンスを逃した気がしてもったいなかった。これから常にメモを携帯し、日常ではっと思ったことをメモし、夜家で調べ、日記のネタにでもしたい。
自己サーバーについてもいち早く構築したい。なぜなら、入社してから書くことになるだろうことはあまり社外に知られたくないことが多いはずだ。自らサーバーを持つことにより、自分だけがアクセスできる権限を持たせることが出来る。また、セキュリティレベルを上げをことや、OSにLinuxを導入することによってPCのスキルも高めたいと思う。夏休み前までに行おうとしてやらなかったことなので、ぜひとも3月の余裕のある時期に終わらせておきたい。期間が迫ることによってやらなければならないと思うのだろう。できればすでに終わらせておきたがったが。サーバー構築後、今私が作っている日本語のブログのほうはそちらに移動させたい。
一つのテーマだけで1600字書くというのは結構時間がかかる作業だ。初めて始めることだからさらに時間がかかってしまうのだろう。その後、日経春秋を手書きするともなれば裕に1時間は必要な気がする。これを出来るだけ短時間で終わらせることが出来るようにしたい。
以上、今日から私が日記を付け始めるようになったきっかけと、その続け方、そして今後この日記をどの羽陽に保管していくかを第一日目として記した。